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横歩取らずに特化したサイトです。 横歩嫌いの居飛車党向けのサイトになっています!

それでは、次は横歩取らずが空中戦になる場合を考えてみます。
とはいっても空中戦は手が広いので大局観的なことを中心に説明していきたいと思います!

それで空中戦になる場合は、お互いが相浮き飛車になる時だと思います。
すぐに飛車を引くのがこのサイトの「横歩取らず」なので!




基本的にはこの本の内容と被ってしまうので、どう書くか悩みどころなんですよね。
この本ならお互いに浮き飛車なら▲6八玉型にして、バンバン攻める定跡を採用しているので、ならこちらは差別化して、▲5八玉型の中住まいで定跡を考えていきたいと思います。

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これですね。実は空中戦ならこっちの方が安定感はあります。飛車切りにも強気にいけるので。

基本図まで

▲7六歩      △3四歩      ▲2六歩      △8四歩      ▲2五歩      △8五歩
▲7八金      △3二金      ▲2四歩      △同 歩      ▲同 飛      △8六歩
▲同 歩      △同 飛      ▲2六飛      △2三歩      ▲8七歩      △8四飛
▲5八玉

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これが基本図です。
ここから後手が初っ端から角交換して乱戦にした場合を最初は考えてみますね。

後手無理やり角交換型

△2二角成▲同銀と来て、△3五角など打って乱戦にする場合がありますが、

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こういう時は中住まいのバランスの良さを生かしていけばOKです。
じっくり囲いを作ったりしながら、強気に大駒交換してバランスの良さで手をなくして勝ち切るのが方針。

かなり手が広いので定跡化しにくいんですが、わかりやすい流れならこんな感じ。



速攻型の角交換は正直に言うと後手が損しやすいです。変に早く打ち込むとそれだけ手が作りにくくなりますからね。

よって、いったんゆっくり駒組をしたうえで角交換した方がいいと思います。

じっくり駒組を組む一例


ここら辺は非常に定跡化しやすいので、いくつかの例を
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こんな感じでじっくりしたと空中戦。



これは最後のほうの手筋で終わったような感じです。
じっくり相浮き飛車による持久戦は横歩取りもじっくりとした空中戦になるので、ある程度囲いを作りやすいのがいいところです。

力将棋になりやすいので、いくつか今後も例を書いていこうと思います!(続く)

ということで、前回は棒銀編でしたが、今回は早繰り銀編です。
後手の急戦策は、棒銀と早繰り銀に集約されますからね。

なので、ここを抑えておけば基本的に大丈夫!

初手から局面図へ

▲7六歩      △3四歩      ▲2六歩      △8四歩      ▲2五歩      △8五歩
▲7八金      △3二金      ▲2四歩      △同 歩      ▲同 飛      △8六歩
▲同 歩      △同 飛      ▲2六飛      △2三歩      ▲8七歩      △8二飛

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ここまでは棒銀編と同じです。

そして、▲3八銀△7二銀▲1六歩までは同じ。

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ここから棒銀なら△8三銀でしたが、早繰り銀は△7四歩です!
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早繰り銀に対しても左翼はとりあえず様子を見たいので、▲9六歩として様子を見ます。
この早繰り銀に偽装して、△7三桂~△6四歩~△6三銀と腰掛け銀にする方法もあるのであんまり形を決めつけると痛い目に合ったりします。

その点、▲9六歩は腰掛け銀になっても早繰り銀になっても生きるので、悪くない手。
このあと△7三銀とされれば、早繰り銀で確定です。

こっちも含みを持たせて▲3六歩がおしゃれ。
基本的に相手が早繰り銀なら、一度抑え込んで腰掛け銀の形にして持久戦に持っていけば少しずつ良くなっていくと思います。

その後△6四銀▲3七桂

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角換わりと似ていますよね。飛車先の歩を切っている&角交換保留しているので形は微妙に違いますが。

△4二玉

早繰り銀が居玉のままだと常に王手飛車などの脅威にさらされるのでこの辺りで囲いたい。

先手は受け止めることを第一に▲4六歩と駒組を進める。
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そして、△7五歩としかけてきたら▲同歩△同銀で開戦。

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一見怖いんですが、▲2二角△同銀▲8八銀


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早繰り銀・棒銀では共通で、基本的に左翼に角がいなければ▲8八銀~▲7八金(上の陣形)を作れば抑え込めます

これで早繰り銀は抑え込めるので先手はじっくり腰掛け銀にして持久戦シフトで一局の将棋です。
相掛かり調の将棋は、難しい空中戦を割けた場合は

①相手が棒銀や早繰り銀なら、受け止めることを第一に考える
②じっくりした形になったら、とりあえず腰掛け銀にしておけばOK
③それをおぼえたうえで、ひねり飛車や中原流、塚田スペシャルなどを抑えておく

って感じです!

さて、この戦法で一番よく対処するのは原始棒銀だと思います。

このよくわからない戦法を見て、後手はとりあえず原始棒銀で行こうと繰り出す人が多いですね。
ただ、相掛かり原始棒銀は立派な戦法なので、とりあえず局面を落ち着かせる対処法を紹介していきます。

局面図へ

(初手から)
▲7六歩      △3四歩      ▲2六歩      △8四歩      ▲2五歩      △8五歩
▲7八金      △3二金      ▲2四歩      △同 歩      ▲同 飛      △8六歩
▲同 歩      △同 飛      ▲2六飛      △2三歩      ▲8七歩      △8二飛

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とりえあず原始棒銀なら後手は引きますね。
ここから銀を繰り上げていきます。

これに対しては先手は手が広いんですが、▲3八銀が自分的にはお勧めかなと。
このあと原始棒銀・早繰り銀・腰掛け銀・力戦と後手にはまだまだ選択肢も多いので、こちらも選択肢を狭めることなく対処していくには、▲3八銀が無駄になりにくい。

もちろん、端を開けて様子見もありですね。

▲3八銀のメリットは、選択肢の多さ
・腰掛け銀
・中原流
・ひねり飛車

これらの選択肢を残せます。

そして、△7二銀。これで後手も原始棒銀・早繰り銀・腰掛け銀・力戦とすべてに選択肢を残します。
この横歩取らずの難しさは、お互いの角道を開け合っていることです。

相掛かりだと閉じていることが多いので、いきなり乱戦に持ち込まれることも多いですからね。
▲3八銀の時に下手に飛車を横移動させると、角交換から△2八角と打ち込まれて一気に不利になるので、そこは注意が必要ですね。
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△7二銀として次の一手は悩みどころです。下手に一直線に腰掛け銀に組もうとすると原始棒銀の速攻に耐えられなくなるので ▲1六歩として様子を見るのがいいかなと!

△8三銀と次に後手が動けば原始棒銀で決まりなので、対処していきましょう。

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相手が原始棒銀なら、できる限り先手は左翼の形に手をかけない方が安定します。

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なので、この次の一手は▲4八玉として王を戦場から離れさせたほうが安定しやすいかなと。

△7四銀に対しては、▲9六歩で棒銀の稼働スペースを減らす取り組みですね。

(基本図)
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これで対棒銀の局面図完成!(この後の展開はUFO銀でも原始棒銀でもどちらでも応用可能です

相手が突っ込んでくる場合①(はめてで撃破!)
それでは「はめて」によって棒銀を潰すパターンを紹介します。
基本図から△7四銀(UFO銀)と出てきたタイミングで角交換です

▲2二角成    △同 銀      ▲8八銀として、この陣形で棒銀に対処します。
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△8五銀と突っ込んでくる場合は▲7五歩とかわす。相手に一歩渡す必要はありませんからね。
ここから△8六歩 ▲同 歩      △同 銀と攻めてきたらこの次の一手で仕留めます。

▲7四歩
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ここから△8七歩とすれば、▲7九銀とかわして飛車をいじめてこっちのペース。

△同歩なら▲8六飛という強打があります。
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このあと△同飛なら▲9五角で先手優勢。
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ちょっとはめ手っぽいんですがこれでいい感じです。
次の手は飛車でガードする△8四飛打ですが、▲8二歩で攻めを継続可能です。
この一手を入れておくことで意味が出てきますね。

△7三桂としてきたら▲8六角~▲8一飛車で攻めを継続でいけます。

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参考棋譜(vs激指)



相手が突っ込んでくる場合②(ちょっと難しい対処の仕方)

それでは先ほどとは少し違う対処法も紹介します。
基本図に戻りますね
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△8五銀 と中央に出てきた棒銀に歩をあげる必要はないので▲7五歩とかわす。
この歩の動きで飛車の横利きも棒銀をとらえています。

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△8六歩と打ってきて開戦です。でも、これを待ち受けるために左翼の陣形を維持していたわけで・・・

この歩が撃ち込まれた段階で角交換です!
▲2二角成    △同 銀
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そして、角交換終了後に桂馬の跳躍で受けきれています。
△8七歩成    ▲同 金  △8六歩      ▲8八金
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飛車の横利きと金の軽やかなフットワーク、そして、桂馬の跳躍で棒銀は完全に動けなくなってしまいました。

この後は、△3三銀▲3九玉で局面を安定させて、先手有利のまま中盤へ。
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持ち歩も圧倒的に多いので、攻撃の自在さで先手がバンバン攻めていける局面です。
ここから△9四銀と引かれるのが一番難しいんですが、こっちも強気に▲7四歩と仕掛けていけばOK。

あとは↓の実戦譜を参照してもらえればと思います。

参考実戦譜








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横歩取らず

基本的な流れ

この局面からある程度の流れは、決まっています。
上図から

△2三歩or△8四飛車or△8二飛車です。
たぶん、△2三歩が多いと思います(体感8割)。
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どうしても、角の頭を守る必要が出てきますからね。この手に対してはこちらも、▲8七歩として、飛車を引かせます。

この時、あえて浮き飛車(▲2六飛)と引いたことで、後手が横歩を取れないようになっています。▲2八飛車と引く手もあるんですが、その場合は後手が横歩を取れるようになるので、浮き飛車以上に激しい将棋になります。

先手の飛車の位置で
浮き飛車=落ち着いた局面
引き飛車=激しい局面
と調整できるんです。

ただ、横歩取り嫌いで横歩取らずを選んでいる人が多いので、落ち着いた局面に誘導したい人が多いと思うので、基本的には浮き飛車が安定と思います。

囲いについて

それでは本題の囲いについてです。

①中住まい型
②6八玉型
③6九玉型
➃4八玉型

主にこの4つがあると思います。今回はその特徴を紹介していきます!

①中住まい型



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これはプロでもよくやる手ですね。体感的にこれを使う人が一番多い。
この囲いの特徴は、バランスの良さと早く囲えること。
なので急戦にしたいときは基本これです。バランスが良くて、大駒交換が発生しやすい空中戦に強いので序盤からバンバン攻めたい人向けです。

弱点は、薄いので後手が持久戦で矢倉や銀冠にしてきた場合は、守備力で負けやすく持久戦になると弱いことですね。

これは基本的にお互いが浮き飛車になる時に使いやすいと思います。
相浮き飛車の時は空中戦に発展しやすいので、お互いに浮き飛車になったらとりあえずこれを使うでOK

あとは相腰掛け銀の時でも有力な選択肢になりますね。

②6八玉型
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こちらは将来の持久戦にしやすい玉形ですね。このまま空中戦にしてもある程度戦えるのがメリットです。ただし、バランスは中住まいが勝るので、できれば持久戦にした方がいいと個人的には思います。

ここから囲いを矢倉や銀冠にしたりできるので陣形の進展性がメリット
ただし、このまま戦闘が始まると、左の金銀が壁になってしまうので、終盤にもろさが出やすいのが難しいところ。

相腰掛け銀にしたい場合はこちらに組むと安定感があります。空中戦になりやすい時は、基本的に中住まいの方が安定する。逆に対急戦調のときにはあんまりおすすめできないですね(戦場に近くなるから、居玉の方が安定する時も多い)。

こちらの本の内容も応用できるので気になる人はどうぞ!

③6九玉型
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こちらは▲6八玉以上に持久戦向け
ここから雁木・矢倉・銀冠・中原囲いといろんな囲いを作れるのがポイント!

弱点は、王に金銀の利きが利いていないので、囲い完成前に戦闘が始まると玉形に不安が伴う感じ。
こちらも相腰掛け銀や後手が矢倉や雁木を採用しているなどで持久戦になる時に使いやすい

➃4八玉型
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こちらはちょっと変わり種です。
ひねり飛車ちっくに美濃囲いを目指す戦い方。

戦闘が行われやすい左とは反対に王の安全を確保できるのがメリット。美濃囲いまでつくれてしまえば飛車切りもしやすくなり安定感はぴか一。


問題は、王飛が接近しやすくて流れ弾を食らいやすくなること
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7筋の位を取ってこんな感じで飛車を横に使う将棋を目指すのが安定しやすいですね。

横歩取らずを採用する理由

まずはこちらからお話をしましょう。
横歩取らずをどうして採用するのか?

はっきり言うと横歩取りが嫌いだからです!

というのも横歩取りって難しいんですよね。

横歩取りが嫌いな理由

・大駒が総交換になりやすく、怖い。
・囲いが薄くて、怖い。
・4五角戦法・相横歩などはめ手順が多すぎて、怖い。
・定跡が知識勝負すぎて、覚えるのが大変&怖い。

ということで、横歩は怖すぎます!
なので、横歩よりかは安定した戦いになる相掛かりと合流する「横歩取らず」に活路を見い出すわけです。

そして、一番厄介なのは後手にとって横歩は誘導しやすいところです。基本的に、居飛車の初手▲2六歩でも▲7六歩でもどちらでも後手から誘導できます。

自分は矢倉大好きなので、

▲7六歩と初手を指すことが多いんですが

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後手がここで角道を開けると、かなりの確率で横歩取りに突入するわけです。


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※この2手で相手が居飛車党なら「一手損角換わり」or「横歩取り」に誘導される確率が高くなります。

なので、矢倉党としては涙目の局面です。ここから矢倉にできなくはないんですが、かなり窮屈です。もしくは、先手損角換わりで無理やり角換わりにもっていくこともできますが・・・

そうなるとせっかくの先手番を放棄して、角換わりの後手番を持つことになるので損なんですよね。

でも横歩取りはヤダなんです。

横歩取らずのメリット

さて、ここで横歩取らずのメリットを列記します。

・無理やり矢倉を組むよりも窮屈じゃない!
・先手損角換わりと違いせっかくの先手番を維持できる!
・横歩取りよりも怖くない!

こんな感じです。

横歩取らずのオープニング(一番下に動く将棋盤も設置しています)

(初手から)
▲7六歩      △3四歩      ▲2六歩      △8四歩      ▲2五歩      △8五歩
▲7八金      △3二金      ▲2四歩      △同 歩      ▲同 飛      △8六歩
▲同 歩      △同 飛 
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これで次に▲3四歩と取れば横歩取りです。
でも、横歩取らずは▲2六飛

横歩取らず

これが基本となるオープニングです。

ちなみにこの飛車に代えて▲5八玉や▲6八玉にするパターンもあります。


この本に詳しく書かれている定跡ですね。
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ただ、こっちの手順は空中戦になりやすく、ぶっちゃけるとほぼ横歩取り感覚なので、横歩嫌いとしてはこっちの浮き飛車にするのがベストですね。

横歩取らず

この後の局面から分岐になりますので、そちらの流れを書いていければいいなと思っています。ここからは自由が高いので楽しいところですね!

横歩取らず

はじめに

このサイトは上の局面を研究するサイトになります。
俗にいう横歩取り拒否の「横歩取らず」作戦ですね。

横歩取りの将棋から相掛かり調に変わりますよね。
横歩取り嫌いの居飛車党にとっては救済ともいえる横歩取らず作戦です。

横歩取らずは、参考になる本が少ないので、このサイトでは「横歩取らず」作戦に特化しようと思います。


筆者について

Dと申します。アマチュア三段のオールラウンダーで、最近は居飛車党より。
矢倉と雁木を好む厚みの信奉者。

横歩取りの空中戦やはめてが大の苦手で、相居飛車で唯一「横歩取り」を避ける。

いつもはこちらのサイトで矢倉を中心に研究しています↓
次の一手で覚える矢倉定跡《目次》


横歩取らずが掲載されている棋書について

正直に言うと、横歩取り拒否から相掛かりに合流するので、書かれている本は貴重ですね。
自分がおススメする本はこの2冊。







↑こちらは、居飛車総合本でプロの定跡の変化について書かれています。
わかりやすくて居飛車党は必須と言える本。ただし、横歩取らずの記述はわずかです。




↑こちらは自分が取り扱わない予定の▲5八玉or▲6八玉の横歩取らずが中心。
1章浮き飛車にする定跡も載っているので、このサイトの内容の発展版ですね。

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